小諸ワイナリーに隣接する「Le Ciel」(フランス語で「天」、「空」の意)と名付けたひと続きの畑から、3品種のぶどうを同日に収穫し、一緒に搾って発酵させる “混醸”と呼ばれる製法で造りました。
信濃リースリング(約45%)、シャルドネ(約40%)、ソーヴィニヨン・ブラン(約15%)を使用しています。
その土地ならではの風土や個性を意味する“テロワール” の表現にフォーカスしたワインです。
外観は透明感がある輝きのあるレモンイエロー。
香りは洋梨や白桃、カリン、オレンジピールなど華やかさがあります。
アタックは滑らかできめ細かな酸味をともない、ほのかにグレープフルーツの苦味も感じられます。
3種の品種特性が所々に感じられ、ソラリスシリーズの中では非常にユニークでコアなファンも多いワインの一つです。ぶどう産地 長野県小諸市大里地区 ヴィンテージ 2024 内容量 750ml アルコール分 13% タイプ 白 味わい 辛口 酸味 さわやか 飲み頃温度 8-10℃ 醸造責任者 西畑 徹平

小諸の土地のテロワールを表現することを目指し、フィールドブレンド(混醸)にチャレンジする「ソラリス ル・シエル」。
まだ収穫日の決定なども試行錯誤で、永年この畑を見てきた経験と感性を頼りに行っている段階ですが、今まで発売したどのヴィンテージにも違う表情(ヴィンテージ由来)と共通のニュアンス(土地由来)がありテイスティングする際はいつも楽しませてくれています。
ソラリス ル・シエルは、是非、ヴィンテージごとの違いも楽しんでいただきたいワインです。
また、熟成による発展性も未知数ではありますが楽しみなワインですので、これから長い目で見守っていただければ幸いです。
醸造方法として「混醸」を採用新たに混醸にチャレンジしたのは、個々のぶどう品種ではなくその土地・区画でのタイミングで収穫し、より長い時間共に育てることでアッサンブラージュ以上の複雑さ、そしてハーモニーが生まれ、小諸の土地のテロワールを表現できる可能性があるのではと考えたからです。
現代の一般的なブレンドワインの多くは、「アッサンブラージュ」という方法で、品種ごとに栽培、醸造してワインになった状態でブレンドします。一方で「混醸」は、複数品種のぶどうを一緒に搾って発酵させる醸造法です。ル・シエルのワイン造りは、同じエリアの同じ日に収穫したぶどうを混醸する「フィールドブレンド」と呼ばれるもので、近年世界的にも再認識されています。より畑の特徴を引き出すアプローチの一つと考えています。
今回、「お客様が喜ぶテロワールの表現されたおいしいワイン造り」を模索する中で、小諸にシャルドネ、信濃リースリング、ソーヴィニヨン・ブランの3品種が良く出来る土地を見つけることができました。
また、数十年に及ぶ栽培・醸造の経験から、それぞれの品種の特徴をつかんでもいます。品種の割合は、最終的なワインの個性に影響を与えますので、その畑のぶどうの個性を深く理解していることも重要なポイントです。
「混醸」に取り組む下地が十分に整い、「小諸」という土地の新たな可能性をひき出すことにチャレンジできたのです。
<混醸とアッサンブラージュの違い>アッサンブラージュはそれぞれの品種にあったタイミングで収穫し、出来上がったワインを好ましいと思うバランスに調整できるため、造り手のイメージしたワインに組み立てることが出来ます。反面、人の及ぼす影響は大きくなります。
混醸は畑全体のタイミングを見て収穫するため、そこですべてのバランスが決まります。そのため、よりその土地、品種への理解が必要になり、出来上がったワインにはよりテロワールが表現されると考えています。

畑小諸ワイナリーに隣接した自社管理畑で、シャルドネのトップキュヴェ「ソラリス 小諸 シャルドネ ヴィエイユ・ヴィーニュ」の畑とは道を一本隔てた場所にあります。
標高670~680mに位置したゆるやかな南向き斜面で、土壌は埴壌土(粘土がかなり多いが少し砂も含まれる)です。ぶどうは「ル・シエル」に使用した3品種の他に、メルローも植えられています。
ワイン名「ル・シエル」はフランス語に由来する「空」「天」を意味する言葉で、畑のある「天神」とよばれる地名(小諸市諸字天神、及び小諸市西原字天神前にまたがる)から命名しました。
収穫3品種を同日に収穫します。
畑のそれぞれの品種の熟度の違い(糖・酸のバランス、香り成分の熟度など)を見極めて収穫のタイミングを決めます。この3品種の熟度を見極めることは非常に難しく、長年の経験と日々の観察力が必要とされ、栽培管理の技術があってこそできるワインだと考えています。
醸造3品種(信濃リースリング約45%、シャルドネ約40%、ソーヴィニヨン・ブラン約15%)を混合で全房プレスします。そうして得られた酸化が抑えられたクリアーな果汁を発酵させることで、それぞれの品種の相互作用、果汁の段階から混ざることで沈殿するもの、溶けやすくなるものがあり、より品種間の調和が取れると考えています。
発酵・熟成には450Lの大きめの樽(古樽)とステンレスタンクを併用し、樽の影響をおだやかにしています。
全体として過度な装飾をしないぶどうの個性を生かした醸造を心がけています。


